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ピロリ菌 Q&A |
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Q1:ピロリ菌ってどんな菌? |
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Q2:ピロリ菌が引き起こす病気とは? |
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Q3:ピロリ菌はどのように感染するのか? |
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Q4:日本人のピロリ菌感染率はどれくらい? |
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Q5:ピロリ菌感染と胃がんの関係とは? |
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Q6:ピロリ菌の検査方法にはどんなものがある? |
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Q7:ピロリ菌に感染していたらどうすればいい? |
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Q1 |
ピロリ菌ってどんな菌? |
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A |
私たちの胃の中に生息している細菌です |
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ピロリ菌は、正式にはヘリコバクター・ピロリという細菌で、私たちの胃の中に生息しています。1983年にオーストラリアのウォーレンとマーシャルがピロリ菌の培養に成功しました。胃の中は胃酸によって強い酸性となっているため、通常の菌は生息することができません。しかし、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を作り出し、尿素を分解してアンモニアを作り、自分の周囲を中和することによって強酸性の胃内でも生息することができるのです。また、ピロリ菌は細長い4〜8本のべん毛を持っており、これらを高速回転させて1秒で体長(約0.004mm)の10倍もの距離を移動できます。 |
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Q2 |
ピロリ菌が引き起こす病気とは? |
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A |
慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんなどを引き起こします |
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多くの研究でピロリ菌が慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍や胃がんなどの原因になっていることがわかっています。ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌が発するアンモニアや毒素などによって、胃の粘膜が炎症を起こします。この状態が長く続くことで、胃を中心に様々な障害が引き起こされると考えられています。このほかにもピロリ菌が深く関わっている胃の病気には、胃MALTリンパ腫(胃の中にあるリンパ球が腫瘍化したもの)、胃過形成性ポリープ(よく見られる良性のポリープ)などが、胃以外の病気では突発性血小板減少性紫斑病(血小板の減少を生じる血液疾患)などがあります。これらの病気はピロリ菌の除去により、高い確率で病気の改善が見られます。 |
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Q3 |
ピロリ菌はどのように感染するのか? |
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A |
水を介してや、親から子へ口から感染すると考えられています |
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ピロリ菌の感染経路ははっきりとはわかっていませんが、水を介して感染するという説や、親から子へ口から感染するという説が考えられています。衛生状態が悪い発展途上国では水による感染も報告されています。日本でも戦時中や戦後の時代には水から感染した可能性はありますが、上下水道が整備された現在では水から感染する可能性はほとんどありません。また、接する機会が多い人から感染する可能性があり、親や家族が感染していると子供の感染率が高くなります。特にピロリ菌に感染しやすいのは5歳未満の乳幼児期だということがわかってきています。 |
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Q4 |
日本人のピロリ菌感染率はどれくらい? |
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A |
50歳以上では80%の人が感染しているといわれています |
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ピロリ菌の感染者数は世界の人口の約半数、日本だけでもおよそ6000万人にものぼるといわれています。特に50代以上の人では80%程度と高い割合で感染しています。対して、10〜20代では20%前後と著しく低くなっています。これは、上下水道などの衛生環境が整ったことなどによるものと考えられています。ピロリ菌に感染している割合は年々減少しており、今後は、ピロリ菌に感染している人はますます減っていくと予想されています。 |
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Q5 |
ピロリ菌感染と胃がんの関係とは? |
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A |
胃がんのリスクが5.1倍になることがわかっています |
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胃がんの発症には、食生活や喫煙と併せて、ピロリ菌の感染が原因として深く関わっていることがわかっています。国立がん研究センターが約4万人を対象としてピロリ菌と胃がんの関係を調べた疫学研究の結果、ピロリ菌に感染していることで、胃がんのリスクが少なくとも5.1倍に高まることがわかりました。また、別の研究によって、ピロリ菌がつくる障害因子のひとつである「CagA」(キャグエー)というたんぱく質の作用でがんが引き起こされることが確認されました。2009年には、胃がんを始めとするピロリ菌関連疾患の治療や予防、さらには感染経路の抑制に役立つとして、すべてのピロリ菌感染者に対して除菌を強く勧めるガイドラインを日本ヘリコバクター学会が公表しています。 |
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Q6 |
ピロリ菌の検査方法にはどんなものがある? |
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A |
内視鏡検査を使う方法と使わない方法があります |
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内視鏡による生検組織を必要とする検査法 |
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迅速ウレアーゼ検査 |
採取した胃の粘膜を特殊な液と反応させ、色の変化を見て菌の有無を判定する検査です。 |
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鏡検法 |
採取した胃の粘膜を顕微鏡で観察し、菌の有無を調べる検査です。ピロリ菌の有無だけでなく、炎症の強さや、癌細胞の有無、癌になりやすい胃粘膜の有無などを同時に診断できるメリットがあります。菌の量が少ないと判定が難しいことがあります。
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培養法 |
採取した胃の粘膜を培養して菌の有無を判定する検査です。結果が出るまで5〜7日程度かかります。 |
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注意点:血が止まりにくくなる病気や血液をさらさらにして血管がつまるのを防ぐ薬を服用している場合には、これらの検査ができなかったり、胃カメラで止血処置が必要となることがあります。 |
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内視鏡による生検組織を必要としない検査法 |
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尿素呼気試験 |
診断薬を服用し、服用前後の呼気を集めて診断します。最も精度の高い検査法です。 |
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抗H.pylori抗体測定 |
ピロリ菌に感染すると体内に抗体ができます。この抗体の有無を血液や尿で調べる検査法です。もっとも簡便な検査法のひとつで、過去の感染でも陽性になります。 |
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便中H.pylori抗原測定 |
糞便中のピロリ菌を調べる検査で、現在ピロリ菌に感染しているかどうかがわかります。除菌前の感染診断と除菌療法後の除菌判定に推奨されています。 |
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注意点:どんな検査も100%正しいとは限りませんので、1種類の検査を1回だけ行う場合には間違う可能性があります。検査の選び方や結果の解釈については、医師にお尋ねください。 |
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Q7 |
ピロリ菌に感染していたらどうすればいい? |
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A |
薬の服用による除菌治療を強くお勧めします |
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ピロリ菌に感染していたら除菌治療を行ないます。通常、除菌治療は3種類の薬を朝夕2回、7日間服用するだけです。初回の除菌には、胃酸の分泌をおさえる胃薬(プロトンポンプ阻害剤)と2種類の抗生物質(アモキシシリンとクラリスロマイシン)を用います。約7〜8割の方は除菌に成功しますが、除菌に失敗した場合は再除菌を行ないます。再除菌も通常は3種類の薬を朝夕2回、7日間服用するだけで、初回と同じですが薬が違います。通常は、初回使用したクラリスロマイシンという薬をメトロニダゾールという薬に変更します。再除菌では8〜9割が成功します。お薬を服用する期間はアルコールは飲めません。 |
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